今週はイーストのプレーオフを見る予定でしたが、やはり平日はなかなか試合が見られず、ホークスVSニックスとセルツVSシクサーズのゲーム2しか見られませんでした。本当はゲーム2までに全部のチームの試合を一回は見たかったのですが、こればかりは仕方ない。ということで、とりあえず見た試合について書いていきたいと思います。
ホークスVSニックス
ヤングのトレードしてから徐々に頭角を現し、久々にプレーオフへストレートインを果たしたホークス。最後にストレートインしたのは2020-21シーズン、ヤングの3年目であり、カンファレンスファイナルに出場した年でした。改めて、3年目の選手が中心でカンファレンスファイナルって凄い話ですね。
そして長い谷間の時期を抜けて、すっかりプレーオフ常連になったニックス。直近3年で二回戦出場が2回、昨シーズンはカンファレンスファイナル出場、レギュラーシーズンでも安定して上位の座を獲得し、まさに押しも押されぬ強豪チームです。また今シーズンはHCがマイク・ブラウンになり、オフェンスのバリエーションも強化されました。
勢いがあるとはいえ、さすがに地力やプレーオフでの経験値の差でニックスが制するだろうと思っていました。実際試合展開もそんな感じで、終始ニックスペースで進んでいきました。

しかし最後に逆転したホークス。その要因はシンプルにマッカラムでした。苦しくなったところで自ら得点して点差をキープし、終盤もブランソン相手の1on1で攻略しました。チームとして組み立てた上でのマッカラム、という感じもあまりなくて、本当に彼が独力で勝ち筋を作り出した感じに見えましたね。これはもうお見事でしかない。
正直この試合のホークスはあまり褒められた内容ではないと思っているのですが、唯一試合の最初から最後までブランソンにオールコートディフェンスをしていたのは効いているように見えました。この日のブランソンはFG 38.5%です。言っても29点は取っていますし終盤もシュートを決めてはいましたが、チームとしてのオフェンスバリエーションは息を潜めていて、肉体以上に精神的に苦しめられていそうな気はしましたね。
ニックスって強いのは間違いないと思うんですが、過去のプレーオフを思い返してもずっと苦しそうな試合をしている印象があります。手詰まりになればなるほどにブランソン頼りになるんですが、それを解消させる為にシボドーからブラウンに交代したはずなのに……みたいなことは思いました。まあそれは、終盤の印象に引っ張られ過ぎな気が自分でもしてます。
この試合の感想としては「まあ格下とはいえ、たまには負けることもあるよね」でした。しかし昨日のゲーム3は108対109で、まさかのホークス二連勝です。試合を見ておらず数字だけ確認したところ、ゲーム2とは逆で終始ホークスがリードしていたみたいですね。それもまたよく分からない……


ゲーム2よりスリーがよく入ったっていうのは大きい気がします。あとはクミンガの21点はちょっと気になります。ゲーム2はマッカラムと同じく、割と個人で何とかする担当で19点を取っていましたが、ゲーム3も同じだったのかな。
セルツVSシクサーズ
テイタムが長らく欠場しており、今年は厳しいかと思われていたところから、まさかの2位でレギュラーシーズンを終えるという快挙を成し遂げたセルツ。すっかりエース役が板についたブラウンの隣に、本調子ではないとはいえ復帰したテイタムがいることで、一気に優勝争いの最前線に立った感があります。
対するシクサーズはプレーオフには安定して出場しているものの、長らく二回戦を突破出来ていません。最後に二回戦を勝ったのは2000-01シーズン、なんとアイバーソン時代まで遡ります。そして不運なことにエンビードが虫垂炎を発症し、一回戦中に復帰する可能性は低そうだとの報道もあり、さすがにきついかとなっているところでした。
セルツVSシクサーズのゲーム2は非常に面白い試合でした。個人的にウェストのプレーオフは「いかに相手の強みを消すか」が重要になってくるのに対して、イーストは「いかに自分たちの強みを出せるか」という思想が強いと思っていて、これ似ているようで全然違うというか、誤解を恐れず言えば展開が大味な気がしています。だから試合の「展開」としてはどちらかといえばウェストの試合の方が好きな傾向にあります。あくまで傾向の話。
ただこの試合はどちらも色々な仕掛けがあって、見応えがありましたね。セルツはチームとしてスリーを展開する能力に長けていて非常にボールムーブがスムーズ。これはマズーラがHCになってもたらされたものですが、そのボールムーブと1on1の融合が、恐ろしいことに優勝した時よりも強化されているように見えるんですよね。更に万能なブーチェビッチがオフェンスのズレを適切に生むし突いてくれるので、本当に盤石。
そして、シクサーズがこれまた面白かったんですよね。基本はシンプルな1on1ですが、色んな選手が色んな角度から攻めていくし、ロールプレイヤーもハードワークでフォローしていく、ビッグマンもスクリーンとリバウンドで奮闘する。単純に展開として面白いというよりは、選手の良いところが凄く目立つオフェンスって感じでしたね。
お互いにストロングポイントで殴り合う、良い意味でイーストのプレーオフらしい面白い試合だった。
— 下川関 (@NBA928906263606) 2026年4月22日
そしてシクサーズの強みの大部分がエッジコムのシューティングだったという末恐ろしさ。https://t.co/CjH1pLdZ9B @YouTubeより
一番は勿論エッジコムでした。もう本当に凄かった。優秀なゲームコントロール役であり、ディフェンダーであり、そしてシャープシューターでした。
本当にルーキーというのが信じられない。ゲーム1を見ていないのでどういうプレーをしていたのかは分かりませんが、数字だけ見ていると良くなかった部分を全部ひっくり返したような感じで、他のスター選手の活躍に引っ張られてバウンスバックするとかなら分かるのですが、寧ろ自分が引っ張ってチームメイトをバウンスバックさせたような印象を受けるスタッツの変化です。シクサーズファンだったら相当嬉しい一戦だったんだろうなと思いましたね。ゲーム1が見られなかったことが悔やまれる。
そして個人的には、エッジコムと同じぐらいポール・ジョージのプレーには驚かされました。かつて自らをPlayoff Pと名乗り散々な言われようでクリッパーズを去った後、長らく怪我に悩まされていたPGは、年齢も相まってそろそろスターと呼ぶのも厳しくなってくるかと思っていたところで見事なパフォーマンスを見せていました。
19点4リバウンド3アシストと、数字としてのインパクトはそれほどでありながら、とにかく攻守に身体のキレと集中力の高さが伺えました。あまり注目してみたことがないというのはあるんですが、私が見た中では過去一のパフォーマンスに見えました。
これまで私の中で一番良かったと思ったPGのパフォーマンスは2020-21シーズンのプレーオフで、カワイ不在の穴を埋める為に攻守に奮闘しなければならず、ヘロヘロになりながらあらゆる仕事をこなしていたんですよね。当時はまだNBAを見始めてまだ日が浅かったので分かっていませんでしたが、あのレベルで色んな仕事が出来るウィングってほぼいないと思います。スタッツを見返してみると、このシーズンのプレーオフはそれだけやって20点を切った試合が一回もないみたいで、書きながらリアルタイムで凄いなと感じました。
言いたいのは、実際にNBAのフル試合を見始めてから、PGに対してハイライトでよく見た「クールで鮮やかにディフェンスを攻略するウィング」みたいな印象はなくなっていき、「ヘロヘロになりながら泥臭くプレーする仕事人」みたいな印象が段々強くなっていったってことです。中でも彼のリバウンドは印象的でしたね。
長くなりましたが、そんな彼が5年の時を経て、まるで当時のハイライトからそのまま出てきたようなキレッキレなプレーをしていたのは凄く驚きました。彼のプレーの基盤である1on1でのミドルは勿論、ポストのステップワークもプレーメイクの判断力も、何よりディフェンスでの集中力は尋常ではありませんでした。
特にチームディフェンスのフォローとパスへの反応ですよね。何でもないパスに反応してボールを手に引っかける、みたいなシーンが何回かあったのですが、あれは驚きを通り越してドン引きしました。「ポール・ジョージってどんな選手だったの?」ともし聞かれたとしたら迷わずこの試合を見せたい、そんなプレーでした。
PGへの愛を語る、みたいな内容になってきたので軌道修正しますが、今日のゲーム3はセルツが勝ちました。リードトラッカーを見るとセルツが優勢に見えますが(が、というかまあそうなんだけど)要所でシクサーズが逆転するので終始シーソーゲームでしたね。
この試合もまた互いの強みのぶつけあいになっていて面白かったです。「強みを消す戦い」ではないのに面白い試合っていうのは、つまるところお互いに開けられる引き出しが沢山あるから面白いという解釈をしていて、まさにそんな感じのゲーム3だったと思います。
セルツはブラウンが1on1する時間帯は、単純にブラウンがミドルを決めまくるしそこからスリーへの展開も出来るので盤石というか、シクサーズとしてもやりようがない感じがありました。一方でブラウンが下がった時、つまりテイタムオンリーの時間帯のオフェンスに困りがちで、この狙い目をしっかりシクサーズが突いていたので面白いゲームになっていました。これ、テイタムは普通に1on1で攻略してくるんですが、プリチャードのところでテンポが止まっちゃってて、シクサーズはそこを止めていたように見えます。
ただ終盤もマズーラはプリチャードを使うんですよね。これがまさにイースト的発想のように見えます。で、これが見事にハマったというか、最終盤にプリチャードが決定的なスリーを決めたんですよね。ゲーム2までは攻略のポイントにされていて、もし負けていたら「下げるのが正解だった」と言われそうにも思えたところで、自らの力でコーチの選択を正解にしたプリチャードでした。イーストの試合はそういう「信じ抜く強さ」みたいなテーマを感じますね。
プリチャードが良かったって話は置いといて、やっぱりテイタムは凄いという話をします。ブラウンがエースとして大成したこと、恐らくはまだ本調子じゃないことから、かつてのように1on1のファーストオプションとしてではなく、試合を通してシューターやゲームコントロールの割合が増えたテイタムですが、この試合の最終盤はほぼテイタムが仕切っていました。プリチャードの最後のスリーもテイタムからのアシストでしたし。
怪我の功名、というにはあまりに大きな怪我でしたが、個人的には今のテイタム&ブラウンのコンビは、これまでよりずっと恐ろしい形になっている気がします。共に攻守に万能なウィング、と言ってもこれまでの二人は交代しながら1on1するっていう絡み方だったと思うのですが、ブラウンがよりエースとしてのプレーを身につけ、そしてテイタムがゲームコントロールやオフボールムーブ等のアウトサイドでのプレーを担うことで、違う役割とプレーエリアで共存することになり、単に1on1が強い選手がコートに二人いるという以上の絡み方になりつつある、そんな風に見えました。
タレントでいえばホーフォード、ポルジンギス、ホリデーと、どう考えてもあの頃の方が強かったはずが、今のセルツを見ると「優勝した時より強いんじゃないか?」と思えてしまう。元マブスファンとしては非常に複雑な気持ちですが……でも見たいって気持ちの方が強いなあ。
シクサーズも悪くなかった、どころか段々良くなっているように見えます。ゲーム2まではマキシーがハンドラーをする時間帯が結構あって、ちゃんと点を取っているので悪いなんてことはないのですが、展開としては単調でセルツもあまり困っている感じはありませんでした。それが少しずつ減っていって、よりスコアラー的な絡み方が増えていっている気がします。そうなるとシュート力が非常に高いマキシーなので、セルツとしてはどうやっても止められない。このお互いに「どうやっても止められない」形があると試合はどっちに転ぶか分からなくなりますよね。
ゲーム3はエッジコムのスリーが0/7で全く入らなかったのですが、本当に1本でも入っていれば全然内容の違う試合だったと思います。逆にこれだけ入らなくてこの粘りなわけですから、本当に拮抗していて面白いシリーズだと思いますね。紙一重も紙一重、ゲーム4も楽しみです……スケジュール的に見られるか分かりませんが。それと、もしエンビードが戻ってきたらどうなるんでしょうね。彼が戻って来て今のシクサーズのバスケが出来るとは正直思えないですし……
レイカーズVSロケッツ
デュラントが復帰したゲーム2を落とし、0勝2敗でゲーム3に臨むロケッツ。シェングン頼みの戦術で、そのシェングンが19点しか取れなかったから負けた、というようなゲーム1でしたが、ゲーム3は33点と文句なしのパフォーマンスを見せていました。シェングンとしては「これで負けたらもうどうすればいいのか分からない」と言いたくなりそうな内容でしたが……うん、負けちゃいましたね。
言ってもジャバリが24点、アメンが26点にシェパードも17点を取っていて、イーソン以外のスターターは充分に点が取れています。気になるのはベンチメンバーのところですよね。ベンチから6人を起用して彼らの合計得点は、なんとたったの3点です。OTだということを差し引いてもスターターで106点も取れているのだから、しっかり仕事はしていると言っていいはずで、ベンチメンバーの使い方に問題があったのは間違いないでしょう。
この事は試合を見ていてもあまり感じなくて、数字を見てそうなんだと気づきました。でも確かにデータと照らし合わせるとそうだなと思いまして、思い返すと「このベンチユニットに何をさせたいのか」みたいな意図が正直見えないです。単にスターターを休ませる為だけの交代って感じがします。ベンチを使う理由ってどこもスターターを休ませるっていう意図は当然ありますが、それだけではないですからね。
ちなみにベンチが問題だと気づかなかった理由について考えてみたのですが、それは多分、そもそもスターターも割と問題だらけだったからのような気がしています。ツーメンゲームで離されると途端に困り出すアメンとか、逆にシューティング以外の能力が足りないシェパードとか。
難しいのがジャバリのところで、彼は強気にシュートを打ちますし確率も悪くないのですが、それがかえってチームとしての展開力のなさに拍車を掛けている感があります。例えばジャバリのところがナゲッツのアーロン・ゴードンだったら全然違いそうだよね、みたいな話です。
どうもロケッツを見ているとシーズンプランのなさというか、前回のプレーオフでの反省点がそのまま出ている、何ならバンブリートがいないことでより悪化しているように見えています。そこをレイカーズに引っ掻き回されていて、シリーズ中に打てるような手もないので、ちょっと苦しいなという感想。言っちゃ悪いですが、レイカーズはブロニーを使う余裕があるぐらいですからね。なぜかコネクトは頑なに使いませんが。
レイカーズはなんだろう……特に言いたいこととかなくて。この試合に限っていえばシェングンが暴れて、ケナードのシュートが入らなかったから苦戦したけど、レブロンとスマートのハンドラーと八村VSシェパードのところで取り返せたから無問題って感じでしたね。
ゲーム1はエイトンがシェングンを上手く抑えていて、ヘイズがフェイクに引っ掛かりまくっていましたが、そこの勝敗でロケッツ側に勝てなかったとて試合には勝ったゲーム3。抑えれば楽勝、抑えられなくても競り合いで勝てる、ということを証明しました。シリーズを3対0から巻き返したチームはいないという歴史から考えても、ほぼほぼレイカーズの勝ち抜けは固いでしょう。
ドンチッチとリーブスがいない一回戦ということで、シリーズが始まる前はロケッツがそれこそスイープするのではないかとさえ言われていましたが、蓋を開ければ全くの逆で、レイカーズがロケッツをスイープ目前にまで追い込みました。これは日程的に大きいですね。但しレイカーズは二回戦でサンダーVSサンズの山と当たることになります。あちらもサンダーのスイープは固そうに見えるので、そこは運がなかったというか……結局はドンチッチとリーブスの怪我の具合の話ですが、とはいえ一回戦を長引かせてサンダーに休養を与えたらそれこそ苦しくなるので、ゲーム4はなんとしても勝ち切りたいところでしょうね。
終わり
今回は時間の都合で書けませんでしたが昨日のブレイザーズVSスパーズ、そして今日は途中からですがウルブスVSナゲッツの試合を見ました。この後でサンダーVSサンズも見ようと思っています。
いよいよゲーム4。シリーズの折り返し地点を迎えて、中にはこれが最終戦になるチームも出てくるかもしれません。GWもあるので、ここからはよりNBAに注目していきたいと思っています。