下川関の趣味ブログ

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【NBA】11/29 レイカーズ対マブス

 アンソニー・デイビスが復帰した本日の試合。オフェンスの狙いが分からなかったマブスでしたが、奇しくもデイビスが離脱した間にクーパー・フラッグはハンドラーからウィングスコアラーに転身し、ディアンジェロ・ラッセルとブランドン・ウィリアムスのアタックを起点に崩す形に整理されました。整理されただけでそれが正解かどうかはまた違う話ですが、復帰したデイビスはここにどう混ざっていくのか注目したくなる試合です。

 そしてレイカーズは13勝4敗でウェスト3位。正直、試合を見ているととてもそんな勝率には見えない内容なのですが、不思議なほどに勝っています。そんなレイカーズのNETレーティングは+3.2でリーグ14位。+3.7でレイカーズよりも良いサンズがウェスト6位なように、レイカーズのNETレーティングに対して異様に勝率が高いチームです。これを引き起こしているのは、今シーズンここまでクラッチタイムで6勝無敗というレイカーズのクラッチタイムの強さ、つまりはルカ・ドンチッチのスターパワーです。

 ウェスト3位と13位の対決は、順位ほどの実力差があるかと言われればそんなことはないのですが、明確な違いはレイカーズにはドンチッチがいて、マブスにはいないということでしょう。

 

1Q. ドンチッチに解体されるマブスディフェンス

 デイビスが戻ってマブスオフェンスがどう変化するのか、そんなことを気に掛けるのを忘れるぐらいドンチッチが輝いていた第1Qでした。試合開始直後、マブスはドンチッチに対してダブルチームを仕掛けるとパスを捌いて味方のスリーに繋げます。その後もマブスがダブルチームを仕掛け続けるので、ドンチッチがドンチッチたる所以のひとつである「ダブルチームへの対応力」が遺憾なく発揮されました。

 そしてこの試合では頻繁に「ダブルチームの隙間を抜けるドライブ」を選択したドンチッチ。このチョイスが増えたのは体重減の影響のように感じます。再現性を追い求めるのは難しいプレーで、実際ハンドルミスも度々ありましたが、このプレーが混じることでただでさえ難しいドンチッチ対応がより困難になりそうな予感がしました。

 ただこの時間帯で最も不思議なのは、ドンチッチにダブルチームを仕掛け続けたマブスディフェンスです。ジェイソン・キッドは相手エースを潰すディフェンス戦術を好むHCですが「だとしてもドンチッチにやったら駄目だろ」と思ってしまいます。試すまでもなくパスを捌かれるのは分かるはずなのですが、それでも最初の数プレーだけ試して見切りを付けるならまだ理解出来ました。これを1Q掛けて実行したのは、どうも違和感があります。散々ドンチッチのダブルチーム対応に助けられたんじゃないのか、そんなことはもう忘れてしまったのか。

 しかし、結果的には28対22とそこまで点差は離れませんでした。繋いだ先の八村塁が立て続けにシュートを外し、最後にはファンブルでターンオーバー。ジェイク・ララビアはそもそもコーナーにおらず、トップでフリーになったところを打ち切らずにカウンタードライブして、ダニエル・ギャフォードにスティールを食らいます。オースティン・リーブスが手堅くシュートを決めましたが、それ以外の支援がなく個人の内容の割にフラストレーションを溜めている様子のドンチッチでした。

 

2Q. ペースアップ&トンプソン

 完膚なきまでに叩きのめされた第1Qから、ドンチッチが下がった第2Q序盤。マブスはブランドン・ウィリアムスとPJワシントンを筆頭に、ペースの早いオフェンスで点を稼ぎます。マブスのペースアップについて行けなかったレイカーズ。

 レイカーズのトランジションディフェンスの悪さは兼ねてより指摘してきました。それは主にマークの受け渡し等のルールが曖昧だというのが問題でしたが、今回はマブスディフェンスに捕まったことによるものだったので、やや致し方ないかと思います。

 この時間帯はハンドラーとディアンドレ・エイトンのアタックをデイビス&フラッグのディフェンスで封殺しました。しかしパスを回せばスリーを打つチャンスはあったのに、ここの判断が少しずつ遅く、どこに活路を見出せばいいのか分からなくなっていました。マキシ・クリバーもスリーを打ち切らず。そうしてディフェンスのリズムが掴めたマブスだったので、走り出しの差で立て続けに点を取りました。

 またハーフコートでは、マブスはクレイ・トンプソンのシュータームーブに合わせるプレーをチョイスします。ここを決めたトンプソンは自分の働きをしていましたが、フリーになっても頻繁に無視され、かつオフボールスクリーナーのカットプレー等も整理されていなかったので、トンプソンが決めなければどうしようもないオフェンスになってしまっていました。やはり整理されただけで、機能しているようには見えない現状のマブスオフェンスです。

 そしてドンチッチが戻って来ると、ダブルチーム対応をやめたマブス。これによりドンチッチの個人技中心のオフェンスになり、第1Qほどはやられずマブスリードで前半を終えました。

 

3Q. カッティングするフラッグ

 前半のマブスオフェンスはウィリアムスが存在感を見せていましたが、第3Qからはフラッグが目立ち始めます。これはボールを持つと自らのアタックのみで完結しがちなウィリアムスと、味方との距離感を測ってプレーメイクするライアン・ネムハードの違いもあれば、レイカーズが真ん中のスペースを空け過ぎてカッティングし放題になっているという事情もあります。

 PG役から解放されたフラッグは、最初こそ積極性に欠くプレーでドラフト1位としてはあまりにも物足りないウィングになっていましたが、それから少しずつ強引にフィニッシュするプレーが増えてきました。この試合でも彼のサイズを活かしたフィニッシュが度々見られましたが、それはフラッグが真ん中のスペースにカッティングしてボールを貰うところから始まっていました。

 最初はネムハードに指示されてカッティングしていたフラッグでしたが、それからは自発的に狙うようになっており、非常に好印象でした。但しまだムラがあるというか、リーブスが相手でも仕掛けるのを避けてしまうこともあり、スタッツほどの活躍度を感じない選手になってしまっています。

 対するレイカーズも、エイトンのカッティングが冴えました。インサイドで積極的にポジショニングするエイトンにボールが渡して押し込ませ、収縮すればパスアウトしてスリー。新旧ドラフト1位のカッティング対決は、前半全くシュートが入らなかった八村のスリーが立て続けに決まったことでレイカーズの勝利となりました。

 

4Q. オフェンスの引き出し

 前半の内容に反して、八村を筆頭にシュートを決め続けるレイカーズ。終わって見れば51.4%の確率でスリーを決めていたわけですが、ここまで決まるとマブスとしてももう何を守ればいいか分からない状態です。

 ディフェンスで対抗出来ないとなると、オフェンスでどうにかしなければなりませんが、その手段が乏しかったマブス。兎にも角にもスリーまで繋げられないというのが苦しそうに見えました。効いていたウィリアムスのドライブもさすがにレイカーズ側が慣れたのか、第4Qは3本全てのシュートを外しています。

 今日のレイカーズにマブスが勝つにはどうするべきだったのか。苦しいオフェンスとは言っても、マブスも今季4番目に高い119点をスコアしており、現状のチームでこれ以上のオフェンスを求めることにどれほど現実性があるのかを考えなければなりません。

 最も伸びしろがあるところは、やはりフラッグでしょう。今はそれほどフィニッシュに優れているわけでも、ミスマッチを確実にハントできるわけでもないので、ここが安定すれば勝利に近づけます。ただ果たして、今のロスター構成でフラッグのこの能力をディベロップメントすることが出来るのでしょうか。

 頭が痛いのはウィリアムスの存在です。昨シーズンから頭角を見せ始めた彼は、優れたドライブフィニッシュで今日はチームオフェンスを牽引しましたが、ボールを持つと自らのフィニッシュを優先してしまうが為に、フラッグがアタックするシーンが減ってしまっています。同じことはディアンジェロ・ラッセルにも言えます。

 そして真に恐ろしいのは、それでもフラッグがPGをするよりは、フラッグにとって随分オフェンスしやすい状態だということでしょう。フラッグがPGをしていた時は今以上にアタックへの積極性に欠けていました。だから恐らく、今の形が最大の成長効率のように見えてしまうのですが、このままでは「デイビスやカイリー・アービングの現役中に優勝する」ことは叶わないのではないかと思ってしまいます。

 勿論これは、優勝を狙うタイミングをどこにフォーカスするかにもよります。ただ現状だと今後3~4年での優勝に向けた動きにも、それよりもっと先を見据えた動きにも見えません。GMを解雇してからもマブスというチームが何を目指しているのかが分からない今日の試合でした。