下川関の趣味ブログ

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【今週のNBA】2025.10.21~10.26

 遂にNBAの2025-26シーズンが開幕しました。今年はオフに各チーム様々な動きがあり、また豊作ドラフトということもあって特に面白くなりそうなシーズンとなっております。

 開幕から一週間、私が見た試合は以下の通りです。今回はこれらの試合について感想を書いてみたいと思います。

1.ウォリアーズ対レイカーズ(10/21)

2.スパーズ対マブス(10/22)

3.ウィザーズ対マブス(10/24)

4.ピストンズ対ロケッツ(10/24)

 

1.ウォリアーズ対レイカーズ

 シーズン初日の対戦カードはロケッツ対サンダーと、このウォリアーズ対レイカーズでした。昨シーズンにジミー・バトラーを獲得したウォリアーズと、ルカ・ドンチッチを獲得したレイカーズの対戦。結果的には119対109でウォリアーズが勝利しましたが、点差以上の差がある試合内容でした。

減量したドンチッチのパフォーマンス

 このオフシーズン、減量に取り組んだドンチッチ。これがパフォーマンスにどう影響するのかが非常に気になっていましたが、この試合を見る限りでは良い方向に動いていたように見えます。

 分かりやすく改善したのは運動量の部分でした。特にマブス時代は頻繁にディフェンスに戻らないことがありましたが、開幕からここまではトランジションディフェンスで必ず戻り、セイフティとしての役割を非常によくこなしています。

ターンオーバーからの得点

2025→2026 5.1→9.5

NBA.com

 しかし特筆すべきは、もしかしたらオフェンスでの運動量かもしれません。ドンチッチはこの2試合で、なんと9.5点もターンオーバーから得点しています。これは現在リーグぶっちぎりの1位です。ちなみに前シーズンの5.1はリーグ3位で、リーグ3位の数字から倍近く上乗せしているのです。

 2試合のスモールサンプルなので、昨シーズンとの比較にそれほど意味はありません。実際、この数字とは縁遠いクリスタプス・ポルジンギスが8.0で2位についています。ただ試合を見てみると明らかに自らボールをプッシュして速攻に絡むシーンが増えており、それを試合を通してやっているというのはマブスでは中々見られない姿でした。

オフェンス時の移動速度

2025→2026 4.05→4.22

NBA.com

 Speed&Distanceの数字を見ても、プレータイムは変わらず速度が上がっており、明らかにこれまでより走っています。

 このように、ドンチッチの減量は個人単位で見ればポジティブな変化だと言えますが、一方でこれらはチームとしてのまずさを如実に表す数字にもなっています。

ターンオーバーからの得点

レイカーズ/ドンチッチ 19.0/9.5

NBA.com

 これだけドンチッチが得点を稼いでいながら、レイカーズのターンオーバーからの得点はリーグ14位となっています。この数字をたった一人の選手が50%も補っているというのは極めて異常です。これを2023-24シーズンのマブスと比較してみましょう(2024-25シーズンはドンチッチが移籍したので比較対象として不適とします)。

ターンオーバーからの得点

マブス/ドンチッチ 16.5/4.5

NBA.com

 この4.5というのも当時のリーグ3位の数字で、そもそもドンチッチがターンオーバーからの得点においてリーグトップクラスの選手であるということを示しています。しかし2023-24シーズンにおいて、ドンチッチのこの得点はチームの27.3%に留まっています。

 これは今のレイカーズのまずさを表しているように思います。レブロン・ジェームズが欠場していたとはいえ、ドンチッチ頼みのチームと言われていたマブスよりも圧倒的にドンチッチに依存していたレイカーズ。この仕事量で果たしてシーズンの最後まで持つのかが不安になるここまでです。

 特にトランジションでのボールプッシュ役がドンチッチとオースティン・リーブスに偏っているというところが気になります。リバウンドを取ったらこの二人のどちらかに渡し、走ってパスを待つというのが今のレイカーズですが、ドンチッチもリーブスも縦のスピードが早い選手ではないので、結果的にレイカーズのトランジションは全体的にテンポが遅く感じます。

 ちなみにマブスでも「リバウンドを取ってドンチッチに渡す」ということはよくありました。しかし彼らの場合、切り替えの速さでドンチッチがワンパスで捌ける場所まで走ったり(クレイ・トンプソン)、中盤でボールを貰ってボールプッシュ役を肩代わりしたり(ナジ・マーシャル)していました。今の極端なドンチッチ依存を抜け出すには、まずこのトランジションでのボールプッシュ役を増やすことが必要だと考えています。折角補強したのだから、現状ディフェンダー以外に仕事がないマーカス・スマートにこの役割を担って欲しいところですが、どうなることやら。

連携のないディフェンス

 これまたレイカーズの話ですが、かなり厳しいディフェンスだった印象です。役割分担が明確になっておらず、頻繁にスイッチミス等の初歩的なミスから得点されていました。印象的だったのはジョナサン・クミンガを始めとしたウィングのカットプレーです。スイッチの連携に手こずる状態では到底カットプレーのケアなど出来るはずもなく、ヘルプディフェンダーの裏でやりたい放題になっていたウォリアーズでした。

 これがジャレッド・バンダービルドが入るとかなり解消されるのですが、コーナー担当としては不安定すぎるシュート力に、ビッグマン役としては多過ぎるキャッチミス等、オフェンス面で起用を悩ませてくる選手です。

 スマートを補強したものの、ガードへのマッチアップを主な使い方としているレイカーズなので、ヘルプディフェンスの段階まで侵攻されると彼の力でどうにかなる問題ではありません。どうにもチームの問題と補強の方針がズレているように感じる試合でした。

 

2.スパーズ対マブス

 本来はクーパー・フラッグとディラン・ハーパーのドラフト1,2位対決のはずだったこの試合でしたが、ヴィクター・ウェンバンヤマが全てを掻っ攫ってしまいました。

ディフェンスを粉砕する怪物

 マブスはアンソニーデイビスとデリック・ライブリーにフラッグを並べて、トンプソンが一番サイズの小さい選手というビッグラインナップを敷きました。プレシーズンの段階では猛威を奮ったこのディフェンスでしたが、それを真っ向から粉砕したのがウェンバンヤマでした。

 クリス・ポールとの修行期間が実を結んだのか、ピック&ロールのロールマンとしての能力を高めた前シーズン。そのプレーはポップしてのシューティングが主でしたが、この試合はリングにダイブするプレーが非常に多かったです。ボールを貰ったウェンバンヤマは、このサイズの選手としては異常なスピードで突破して、マブスのディフェンダー陣を次々にファウルトラブルに陥らせました。

 とはいえ毎回ディフェンスが間に合わせなかったわけでは当然なくて、徐々にマブス側もウェンバンヤマのスピードについて行くようになったのですが、そこからの彼のプレーは衝撃でした。人間離れしたストライドを活かしてステップワークで翻弄し、ショートレンジやミドルレンジを立て続けに決め、かと思ったらあり得ないような位置からダンクを叩き込む姿は、さながらヤニス・アデトクンポとケビン・デュラントのハイブリット。デイビス、ライブリー、フラッグの三人が束になってもお構いなしに点を決め続けました。さすがにこの試合はシュートが入り過ぎた感があり、シーズンが進めば彼への対策もされていくので、もう少しトーンダウンしていくとは思いますが、いずれにせよ途轍もないインパクトを残した開幕戦でした。

 彼個人の得点力はリーグにとって既に危険な領域に踏み入っています。ただもしも今後ショートロールからのパス能力なんてものを身につけたとしたら、その時は本当に、歴史的なバスケットモンスターが誕生することになるでしょう。

PGスキルを見せつけたステフォン・キャッスル

 ウェンバンヤマと共に存在感を見せつけたのがステフォン・キャッスルでした。この試合では第一ハンドラーとしてPGを務め、ウェンバンヤマの存在感を際立たせました。驚くようなパスはないものの、堅実な状況判断能力は光るものがあったと言えます。

 彼を評価したくなる理由はPGスキルとディフェンス力の掛け合わせの部分です。キャッスルは元々ディフェンダーとして極めて優秀で、チェイスディフェンスからドライブへのフィジカル対応まで、ガードに必要なディフェンス能力を全て兼ね備えています。

 この試合ではPG起用されたフラッグにマッチアップしていました。キャッスルはこのマッチアップでフラッグにほぼ何もさせない状況にまで追い込んでおり、マブスのオフェンスを単調な1on1にさせていたのです。見兼ねたマブスはディアンジェロ・ラッセルやライアン・ネムハード、ナジ・マーシャルといったプレーメイカーを並べましたが、そうなると今度は彼らにマッチアップするキャッスル。するとマブスのオフェンスは再び機能不全になったのです。

 これだけ相手に応じて守り方を変えられるガードというのは、少ないながらもリーグに何人かいます。しかしそれに加えてPGとして状況判断する能力を持つ選手はほぼいません。ステフォン・キャッスルの才能の希少さが際立つ試合でした。

持て余すクレイ・トンプソン

 待望のドラフト1位、フラッグは10得点10リバウンドのダブルダブルと、悪くない数字を記録しました。しかしPGとして起用されながら0アシスト3ターンオーバーという数字は頂けません。状況判断自体は悪くなかったものの、自らのドライブで切り崩せなければシュートチャンスに繋がるパスを出せないということを示した試合でした。

 その影響を強く受けたのが、PGフラッグと共に並べられたSGのクレイ・トンプソンです。オフボールで動く彼自身にもその裏で動くスクリーナーにもパスが出なかったことで、何の為にシューターとして試合に出ているのかが分からない試合でした。フラッグからPGが変わると何本かトンプソンにパスが回るようになりましたが、とても綺麗にシュートを打てる状況とはいえず、チームとして持て余してしまっているのが非常に気になります。マブスが今後トンプソンを活かす気があるのかないのか、ここはしばらく注目して見たいと思います。

 

3.ウィザーズ対マブス

 この試合とピストンズ対ロケッツは同時に視聴していたのでやや感想は薄いですが、その中で気になった点を幾つか書いてみたいと思います。

やりたいことが分かるウィザーズ

 ウィザーズといえば、個人的に食指が動かないこともあり「何をやりたいのかが分からないチーム」という印象をずっと持ち続けていました。しかしこの試合を見ると、何となく「CJマッカラムやトレ・ジョンソンがパスを回して、ウィングに得点させる」というチームスタイルの輪郭が見えた気がします。

 そしてこのパス回しやボールを持ってからアクションするまでの時間、スペーシングがいつか見た時と比べればずっと良くなっていたので個人的には非常に印象が良かったです。この試合でキショーン・ジョージが34点を記録したのがそれを象徴していると思っていて、いるべきところに必要なタイミングでポジショニング出来ていて、これを若いチームがやっているということを考えれば充分未来の明るいチームと呼べます。ウィザーズについてはもう少しウォッチしてみたいと思います。

マブスのディフェンス問題

 ただウィザーズのポジショニングが機能していたというところについては、マブスのディフェンスの問題も大きかったと思います。ビッグラインナップにしている関係上、どうしてもパス回しにはついて行けずにいました。未来が明るいとは言っても、ウィザーズは昨シーズン18勝しか出来なかったチームで、オフェンスレーティングはリーグ最下位でした。そんなリーグ最下位のオフェンスチームに117点も取られるディフェンスというのは如何なものか。

 この問題は単純にディフェンスが悪かったということもあれば、オフェンスの悪さからカウンターを食らうという側面もあるように思います。オフェンスの終わり方にルールがなく、以前はちゃんと戻れていた選手たちも足が止まってしまいがち。加えてデイビスが積極的にオフェンスに参加した結果、元々の戻りの遅さに輪をかけていました。

 このままでは三、四年での優勝どころか、プレーオフすら怪しそうなマブス。これからディティールの改善に取り組んでいくとは思いますが、それでどうにかなる問題なのかは、11月に一度判断してみたいと思います。

 

4.ピストンズ対ロケッツ

 昨シーズンまではケイド・カニングハムとジェイレン・グリーンの元ドラフト1,2位対決だったこのカード。そのグリーンをトレードしてデュラントを獲得したロケッツは、かなり苦しいオフェンスをしています。

プレーメイカー不足のロケッツ

 フレッド・バンブリートの右ACL断裂の大怪我は彼にとっても、チームにとっても深刻な問題でした。彼の代わりを務めているのはアメン・トンプソンとリード・シェパード、そしてアルペレン・シェングンです。トンプソンはリーグ最高レベルのディフェンダーですが、本格的なPGをするにはひとつもふたつも足りない選手。シェパードはシュート力こそあるもののPGとして目を見張るような能力はなく、何よりディフェンス力はかなり問題があります。これにより、ボールを要求して無視されるデュラントの姿が頻繁に見られました。

 結果的にトップからシェングンがプレーメイクする形が最適に見えるのが現在のロケッツ。実際第4Qはほぼシェングンとデュラントのツーメンゲームとなっており、この形を止めるのは中々難しそうに見えました。

展開力を一人で補うカニングハム

 対するピストンズも、お世辞にも多様なオフェンスが出来るチームとは言い難く、プレーオフではロケッツと同様展開力に悩まされていました。

 しかしピストンズのカニングハムはそれを一人で解決してしまいました。カニングハムがいたから勝てたピストンズ。デュラントもシェングンもいるけど、カニングハムがいないから負けたロケッツ。そんな感想を抱くほどです。

 カニングハムもまたPGとしてのイマジネーションは平均より少し上という程度に留まり、あり得ないようなパスが出てくる選手ではありませんが、巧みなフェイクで通したいところにきっちり通すスキルがあります。これを駆使してトバイアス・ハリスやダンカン・ロビンソンの得点チャンスを生み出し、オフェンスの最後の砦として自ら得点していったカニングハムです。

 この試合では超ロングレンジのステップバックスリーに、トンプソンのプレッシャーを物ともしないジャンプシュートが見られました。得点としては21点と目を見張る数字ではないものの、最後のフリースローをしっかり決めたところも含めてエースとしての仕事をしっかりこなしたカニングハムでした。

ダンカン・ロビンソンと第3センターの存在感

 マリク・ビーズリーの後釜に収まったロビンソンは、4本のスリーを決めて15得点と良い結果を残しました。ヒートでの晩年にオンボールスキルをディベロップメントした彼ですが、この試合では本来の彼が持つオフボールムーブが活かされていました。

 特にロビンソンとポール・リードのツーメンゲームは魅力的でした。リードは第3センターに収まっているのが不思議なぐらい攻守に極めて優秀なビッグマンで、この二人のツーメンゲームはイーストの脅威になることが予想されます。

 ミソはリードが純粋にスクリーナーとして優秀であることと、ポップしてスリーが打てるということにあります。ディフェンス側はロビンソンをしっかりチェイスしなければ簡単にスリーを打たれ、かといって前に出過ぎるとロビンソンのカウンタードライブかリードのリムアタックが待っています。ここにヒート時代はなかったスクリーナーのポップスリーという選択肢が加わったことにより、ロビンソンを追いかけるだけではリードのスリーが守れないという極めて守りづらいオフェンスが成立するのです。そこには勿論、シチュエーションに合わせて適切にパスを捌けるPGが必要不可欠なのですが、その判断力に優れたカニングハムがいるピストンズ。

 カニングハム、ロビンソン、リードのトリオは大いに期待したくなります。但しリードにプレータイプが与えられそうにないのが辛いところです。

煮え切らないアサー・トンプソン

 この試合でカニングハムの得点が伸びなかった理由のひとつが、アサー・トンプソンです。兄のアメンほど強烈なディフェンダーではないものの、スピードとスティールはアメン以上のものがあり、彼もまたPGを任されることがある選手です。しかしシュート力が絶望的になく、改善の傾向も見られないのが苦しい選手でもあります。

 この試合ではロケッツが頻繁にアサーのマークを外して、インサイドに人数を掛けるディフェンスを仕掛けていました。カニングハムは実質4対5の状況でプレーメイクしなければならず、それ故に凄みが際立っていました。

 アサーはシュート力が最大の弱点ですが、他にもスクリーンを使う技術等もあまり優れていないというのが辛いところです。ボールを貰っても何をすればいいのか分からないままショットクロックを使ってしまうので、カニングハムはどれだけ苦しくても、どれだけ安全にパスを捌ける場所にいたとしてもアサーに積極的にパスを出そうとはしませんでした。

 そんな彼ですが、この試合では56.3%のFG成功率で19点を獲得。シュート力がないにも関わらずドライブで突破するスピードは目を見張るものでした。シュートさえ改善すればディフェンス力も相まって、カニングハムの頼れる相棒になりそうです。しかし先にも述べましたが、外し方が毎回バラバラであるところを見るに、改善しそうにないというのが辛いところ。

 ただ最大の問題は、HCの起用法だと思っています。第4Qも終盤になると3Pラインの外にいるアサーには誰もマッチアップさせないロケッツ。明らかにカニングハムは苦しんでいましたが、それでもアサーを出し続けたビッカースタッフの器用は非常に気になるものでした。第3Qあたりまでは経験を積ませるということも踏まえて試合に出すことは理解出来るのですが、明らかにオフェンスが苦しくなっても気にせず出し続けたのはさすがに引っ掛かるものがありました。一応、この試合は3人が退場していたので人数的な問題があったと言われれば納得出来なくもありませんが……

 

まとめ

 ドンチッチがこんなに走っている姿を開幕から見られるというのは、ファンとしては嬉しい限りです。しかしこのペースでシーズンを走り続けて体力は持つのかと言われると、さすがに厳しい気がしています。

 去年はマブスでリバウンドからワンパス速攻で周りを走らせて、自分はバックコートで休憩するシーンが多々ありました。今は殆どないのでまずはこういうシーンが増えることを期待したいのですが、すぐに改善する話ではないと思うので、次にレイカーズを見るのはしばらく後になるかと思います。

 マブスについても同様で、フラッグのPGスキルが突然開花するようには見えないので、もう少し間隔をあけて見るつもりです。

 逆にウィザーズはかなり興味を惹かれました。長く最下位を走り続けていたチームだけに、すぐにプレーオフラインに辿り着けるかは分かりませんが、期待しています。でも期待し過ぎてはいけないのがウィザーズ……

 

 あと、どうやらドラフト3位のVJエッジコムが凄いらしいです。来週は彼のプレーを少し追ってみたいと思っています。