NOMELON NOLEMON(ノーメロンノーレモン)は2021年8月11日に結成された、新進気鋭の二人組音楽ユニット。コンポーザーのツキミ氏は元々ボカロPとして活動されており、代表曲の「フォニイ」は現在YouTubeで7000万回再生以上を記録しています。ボーカルのみきまりあ氏はシンガーソングライターとして活動しており、ご自身のYouTubeチャンネルでは曲の弾き語り動画を投稿されています。
今年はアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」とタイアップされる等、徐々に知名度を上げつつあるNOMELON NOLEMONについて、今回は語っていきたいと思います。
■整然としたメロディ
「令和版1stガンダム」をコンセプトに制作されたと言われているジークアクスの挿入歌として第一話と六話に使用されたミッドナイト・リフレクション。私がNOMELON NOLEMONを意識し始めたのはこの曲がきっかけでした。
初めて聴いて思ったのはとにかく音が綺麗だということでした。有り体の感想ではございますが、個人的には衝撃的と言えるほどに綺麗だと感じました。とにかく聴いていてストレスがない。曲の中にノイズと呼べるようなものが一切なく、みきまりあ氏の歌声も伸びやかでありながら透明感があるので、何回聴いても疲れません。どれだけ好きな曲でも二、三回繰り返すと「聴きたくても疲れて別の曲にする」という事が起こると思うのですが、作業中にこの曲をループ再生していると「なんか一時間経ってるな」となりました。
HALOもまた、ジークアクスとタイアップした曲です。こちらも聞き心地の良いAメロとBメロ、盛り上げながらも取っ散らからないサウンドが魅力的。
一応言っておくと、何時間でも聴ける曲自体は他にも知っています。系統的にはカタシロProjectの君と話を、最近ならなとり氏のプロポーズが近いと思っていて、それらの曲がメロディーをシンプルにすることで聞き心地の良さを担保しつつ、歌詞に集中出来るような音作りにしているのに対して、ミッドナイト・リフレクションはInstrumental版でもしっかり聞き応えのあるメロディーになっているのが凄いところです。過剰と退屈のどちらでもない絶妙で緻密な音作りは、1μ単位の精度で組み立てられた精密機器のような美しさを感じます。
■ロックサウンドと芯にある「品の良さ」
HALOのサビが纏まりの良い美しさがあったのに対して、SAYONARA MAYBEのサビはしっかりしたロック。その中に隠しきれない纏まりの良さ、いや品の良さがあります。この品の良さがNOMELON NOLEMONの特徴なのかなと感じました。
個人的に一番好きなのが雨にうたえばです。この曲はちょっと他とは違います。お手本のようなロックサウンドと切なさの演出のハマり方が異様なレベル。これまでNOMELON NOLEMONの曲はあまり歌詞に対する深い印象がなかったのですが、この曲は自然と歌詞が耳に残りました。あどけない印象のある言葉選びは誰もが心の内に秘める童心を燻らせ、それがより切なくさせます。
こうして曲を振り返った時に思い浮かぶ言葉は「秀才」でした。あくまで個人の感想ですが、NOMELON NOLEMONに「これまでに聞いた事がないジャンルの曲」はないけれど、「どこかで聞いた事がありそうな曲」が極めて美しく整理された形で提供され続けている、ということを感じています。これが秀才と呼びたくなる所以です。
音楽ジャンルに対する多方面な知識と音を整える能力の組み合わせ。これによって生まれた上記の曲の数々は、どこかで聞いた事がある気がするのに新鮮さを感じます。
その最たる例がバッド・ラヴです。絶対昔聞いた事がある気がするメロディーなのに何故か新鮮さがあります。
朝昼夜を表現する 3 か月連続配信シングルの第三弾楽曲「バッド・ラヴ」は80年代の歌謡曲ディスコを現代に落とし込んだどこか懐かしさのある夜曲。
OTOTOYより引用
とあるサイトではこの曲について、このように説明されています。「80年代の歌謡曲ディスコを現代に落とし込んだ」ということは、前提としてその年代のジャンルに対する知識がなければあり得ない曲なのです。推測の域を出ませんが、やはりツキミ氏は相当な音楽知識のある人物なのだろうと伺えます。
■懐古厨に優しい令和の音楽ユニット
これまでの話を纏めると、NOMELON NOLEMONは懐古厨にも優しい音楽ユニットであるということです。つい「あの頃はよかった」と思ってしまう我々に、彼らは「あの頃」の曲を令和最先端の技術と共に提供してくれるありがたい存在なのかもしれません。私はまだNOMELON NOLEMONの曲は半分程度しか聞けていませんが、どの曲も何かしら心のフックに引っ掛かるものがあるので、今後も応援していきたいと思います。
ちなみに最近よく聴いているのはINAZMAとSUGARです。どちらも端々からボカロ曲らしさが感じられます。個人的に昔からボカロ曲には若干苦手意識があったのですが、これが聴いていて苦に感じないのはツキミ氏の調整力とみきまりあ氏の歌声によるものなのかなと思います。